負の美学



美しいものばかりを描くのが芸術ではない。

精神の枯渇を癒す為に人は芸術に賭けてきました。
例えば、絵を描く時どんなテーマを掲げるのでしょう。

やすらぎ、よろこび、嬉しさ、性、奇麗な色、不思議、正義、理想、憧れ、
願望、希望、夢、憂い、切なさ、恋、愛情、さみしさ、かなしい気持ち、
憤り、力強さ、懐かしさ、おちつき、香り、あたたかさ、スピード、
流行、根性、やさしさ、気持ちのいいかたち、、、、、、等々
とにかく精神衛生上よろしいものや、また一見そうでなくても、
何かの弾みになるものがほとんどだと思うんです。

上記のテーマに属するものをプラス「正の美学」とした場合、
それと本来対を成す「負の美学」と言われるものもあると思うんです。

世の中の需要は美しいものを求めるからそれが正しいとされて、
醜く触れたくない部分は闇に葬られてしまいます。
しかしそれも厳然たる事実。
確実に世界には目をそむけたくなる影の部分があります。
汚い出来事や精紳の歪みが渦巻いています。
が、それは進化の過程で必要とされて残ってきたものです。
多かれ少なかれ誰の心の中にでもどの世界にでもあるものです。

逃げる事にしか解決策を見出せない現実もあるし、
はっきり言って不快に感じるものばかりなので、
わざわざ無理に表現作用を労して鑑賞する必要はありません。
ただ
自分の精神力で解決できるものならば戦ってほしいのです。
全く総てを否定ばかりしないで、あるがままを認めて受け止めてほしい。
偏った倫理的概念から判決をくだすようなことはしないで

負の美学を

残忍な本性、不幸な心の公式、不条理な現実、醜い欲望、変質、恐怖、侵害、
吐き気のするほどの圧迫、常識からの逸脱、狂い、歪み、罪、偽り、悪、
存在、、、時と無と無限と死と生と。



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