空気遠近法

空気によって起こる現象で絵に関わる効果です。

< 色 彩 >
日本の緯度は上の方です。
我々の住んでいる位置が球状のモノの端っこに近いということから、
1年の多くは太陽に対して、垂直ではなく斜めに接っすることになります。
よって、太陽光線は大気の影響で弱くなります。
結果として、空や木々山川海などの色合いも、おそらく、
頭で考えているイメージよりもかなりボヤけたものであるのが現実です。
一言で言えば「彩度が低い」ということです。
絵の具のチューブから出した様な原色バリバリの風景は、
赤道直下にある国か真夏にしか現実には存在しません。
ただ、見た目が派手で綺麗なのでアニメやゲームには多様されます。
まあ、好みの問題と効果の狙い所で使い分ければ良い事なのですが、
「使い分けてる」のではなく「先入観」だけで
適切で無い色選びをしてしまうことの無いように、
よほどベテランになっても時々注意するにこしたことはありません。

< 空気遠近法 >
結論から言うと、
「遠くになる程、青く、白く、ボヤける」ということ。
大気に含まれる水分やホコリ等の影響で
光が乱反射したり波長が変化したりすることからこういった現象が起きます。
ちょと昼間に意識して並木や山などを見て下さい、
遠くのモノ程、緑が青っぽくなっている筈です。


日本の風景 比較してまとめてみると、

近い遠い
輪郭がハッキリしているボヤけている
本来の色のまま青みを増す
色が濃い白く濁る
コントラストが強い弱い
彩度が高い低い
人物にも空気遠近法  また以上のことから習慣的に、人物
の様な近くで小さいものの中でも手前
と奥で差をつけても良い、と言うかつ
けた方が良いとされることが多いです。
 実際には人間の目はカメラのレンズ
と違って、たかだか1〜2mの距離で
そんなに露骨な見え方の違いなど発生
しませんが、まあ、テクニックの1つ
と言ったところでしょうか。
 たとえこんな感じの絵でも空気遠近
法可です。
色彩効果  ついでにもう1つ。
 多分これも習慣的なことに起因する
のだと思いますが、全く同じモノでも
赤系等の色が手前、青系等の色が奥ま
って見えるという心理的な効果もあり
ます。
・ 青系 = 後退色 = 寒色
・ 赤系 = 進出色 = 暖色


サンプル画像
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