おばあちゃんちの猫



実話です。

小学校1年生の時。
近所に住んでいるお婆ちゃんの家に子猫が貰われてきました。
一緒に住んでいた叔母(といってもかなり若い)が連れてきました。
当時、水木しげる先生の本で呼んだ知識で、私は、
「猫って20年以上生きると猫又っていう化け猫になるんだってぇ〜」
と告げると、叔母は嬉しそうに
「まみ!あんたは20年生きて化け猫になるんやでっ!!」
と言いました。
名前は“まみ”と名づけられました。
今思えば、そんな幼い頃から私は妖学に目覚めていたという事、、、、
まあ、そんなことはどうでもよく、
ちなみに、叔母はたいそう美しい人で(←うちのおかんと姉妹とは思えないくらい)
幼心にも「綺麗な人だなあ」などと想っていたものです。

その後、
その叔母は若くして死去しました。
なにやら病気を患っていたらしく、
子供だった私にはよく分かりませんでしたが。
朝なかなか起きてこないので、起こしに行ったらもう亡き人となっていたそうです。

話は変わりますが、私の従兄弟や姉は何かと、
バンドやピアノとか、音楽をする人達ばかりだったのですが、
私とその叔母だけは絵を描く人でした。
私が口にした妖学のことをすんなり受け入れてくれたこともあり、
奇妙な親近感すら抱いていたものです。
「悲しい」というよりは非常に「残念」でした。

その後、
お婆ちゃんが代わりに大事に育てたということもあってか、
まみは主人の言い付けを守り、生き続け、
今年で22年目になりました。
特に尾が2又に別れるなどと言う事はなく、
もし、万が一、私が何気なく言ったセリフを切っ掛けに
忠実に生き続けているとしたら、
なんとも申し訳ないことだなあと心苦しい事です。

そして、ひと月ほど前のある日。
おばあちゃんが呼吸困難に陥り病院に担ぎ込まれました。
私が駆け付けた時には、
「もう歳も歳だし(90以上)ダメかもしれません。」
と医者に勧告されました。
そして、集中治療室に入って、しばらく。
奇跡的に、なんとか持ちかえしました。

ひと騒動あったその夜の後、
おばあちゃんの家にもどると

まみが死んでいました。

「身代わりになったの。」

ちょっとだけ泣いた。

お婆ちゃんは2週間くらいで退院し、今は元気です。



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