2D半



2.5Dとも言うのかな。
いやそもそもそんなカテゴリーすら無いかも。
手描きが2D、ポリゴンが3D、そして、
手描きとポリゴンが融合してるのが2.5D。
つまりここんところやってる私の画法です。

2.5Dは作業の軽減と画力不足を補うことができます。

というかCGそのものがパソコンの恩恵にあやかって作業の軽減と画力の
無さを補うもの以外の何者でも無いのですが、(^_^;
というか油絵だの水彩だのの画材そのものもその材質の恩恵にあやかって
以下略。(-_-)

てな訳で、2.5Dをしている人の割合は少ない感じなのでそのメリットと
デメリットについて書き留めておこうと思います。偉そうに。

まずそれぞれの大雑把な特徴。各アルファベットが対応する項目です。

2DCG
 A)とりあえず誰にでもすぐ始められる。
 B)描ける絵は作者の絵画的技能に比例する。
 C)作画の手間や難しさはモチーフの複雑さに比例する。
 D)筆の進み具合によって完成への進行が把握できる。
 E)パースやデッサン、光の向き の狂いは作者の腕による。
 F)物理的な嘘でも必要に応じて加えられる。
 G)手軽に複製による形が作成可能だが単調なものに限る。
 H)フィルター等の効果が簡単に得られる。
 I)画像の大きさに比例してマシン性能が要求される。

3DCG
 A)ある程度覚えないと何も出来ない。
 B)手先の絵画的テクニックが無くてもとんでもないモノが出来てしまう。
 C)幾何学的な物体の組み合わせは簡単に出来る。
   有機的な形の物体を作るのが難しいか手間がかかる。
 D)製作過程では全体の完成像が把握できない。
 E)絶対にパースやデッサン、光の向き が狂わない。
 F)物理的な嘘を加えることは難しいか限られる。
 G)手軽に複製による複雑な物体が作成可能。
 H)テクスチュア等の効果が簡単に得られる。
   自分で作成する事も可能。
 I)データーの大きさに比例してマシン性能が「大きく」要求される。

てな感じです。自分的な感想では。

2.5Dと言っても基本的には2Dですので、ようはどの部分を3Dから取
り入れるのかという事になるのですが、
私は背景や小物が適してると思います。
しかし背景の中でも大量の草木は避けた方が無難です。レンダリングが日
が暮れても終わらないし、どうも綺麗過ぎて嘘っぽい感じになります。
生物の形というのは同じように見えても微妙にバラバラでまとまりがない
のが本当なので、データーで作り出された綺麗な形は、たとえどこがどう
とか指摘ができなくとも、無意識のうちに違和感を発生させます。
反対に岩肌や建造物の一部等はずるいほど簡単に出来ます。
ややこしいパースも勝手に解決してくれます。

気をつけねばいけない点は2D部分と3D部分のギャップが大きすぎると
バランスが崩れて失敗するので上手く調整しなければならない事です。
ちなみに私はしょっちゅう失敗します。(^_^;

そして意外にくせものなのが上記の(F)項目。
必要に応じて物理的な嘘が加えられるかどうかという点。
普通は未熟な者がつきたくもない嘘をついてしまうのですが、
テクニックとしてわざと嘘を混入させる事を主力カードに持っている人に
とっては「ええい、手で描いた方が早いわ!」という結果になると思いま
す。これは2Dツールに持ってきてからの個人の加工技術にもよるところ
ですが、なんでもかんでも3Dにする必要は無いので臨機応変に使い分け
たらいいと思います。

最後にコツみたいなもの。
「3D素材を作る時はテキトーなところで切り上げる。」
立体のアニメーションを製作するのならいざしらず、1枚ものの静止画を
創る、しかも最終的に2Dツールで加工もするというものに、丹念に細部
まで作りこんだりアラを消したりする必要はありません。
取り込んできてからチョチョイとレタッチしてやればオッケーです。
(例えばShadeの「しわ取り」はPhotshopの「ボカシツール」で対応。)
そもそも作業の軽減を図る為に3Dを取り入れるのだから3D作成部分に
手間取ってては本末転倒というものです。

いじょ。2D半画像作成のうんちくでした。m(_ _)m

 ※ ポリゴン=3Dの面を構成する細かいチップみたいなもの。
 ※ パース=物理的な形、特に線の角度にそった遠近法。
 ※ フィルター=画面全体の効果。明るさや鮮やかさ、コントラスト、
   等々、ソフトによって様々な特殊効果が可能である。
 ※ テクスチュア=材質感。ここでは3D物体の表面に貼り付ける画像
   や表面の加工を指す。平面画像だけではなく凸凹や透明度、光の反
   射率、屈折率なども設定できる。
 ※ レンダリング=3Dデーターを2D画像に変換する事。
 ※ Shadeのしわ取り=この3Dソフトで人の顔とか作ると「嫌なしわ」
   が部分的に発生してしまう。これはマウス操作の微妙なブレなどが
   原因で出来る。この皺を直すにはその部分を拡大して角度を1つ1
   つ修正してやれば良いのだが、そのめんどくささは世界的に有名で
   ある。多分。


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