クリエイターの住み難い国



 実を言うと私は一時期失業していました。
 会社の合併に伴い耐えかねる不当な扱いを受けたのが原因です。
労働基準法の無視は当たりまえ、等、書き出すときりが無いので止
めときますが、その時ついでに、どうせ転職するなら全く別の好き
な分野にチャレンジしようと考えてしばらく寄り道してうろうろし
てました。が、しかし。

 じつにクリエイターの住み難い世の中だ。

 ということを思い知りました。いや、知っていたつもりだったの
を体感したというべきですかね。(-_-)
 そもそも未経験で中途採用志望というのがいけない。
 仕事自体は無くは無い、が、しかし、という感じです。
 雇う側の負の意見を総括するとこう。
 業界自体の先行きも不安で、労働者の将来の生活設計に責任持て
ないし、若くて安い労働力が余っている上に会社同士の競争も激し
いので原価、つまり給与はそんなに払えません。だから、夢と体力
と若いからという時間的余裕によって経済的不安定に目をつぶれる、
或いはその問題を先送りにできる人でないとダメ。
 なるほど。
 いったい自分が何を犠牲にするか、どこまで犠牲にできるのか。
 私の場合サラリーマン生活が長すぎたので、気がつくと犠牲に出
来ないものがいっぱいありました。それで結局またコンピューター
関係の仕事でプログラム組んだりして落ち着いています。
 自分を取り巻く環境のせいにするのは言い訳がましいかもしれな
いけれど、それは事実。
 まあ何もしなかったよりはマシという程度の経験はしたかもしれ
ません。というか、いったいおまえはどんな凄い腕を持った何様な
んだ、というところにも重要な論点があります。
 しかし、世のサラリーマンやOLは何かを大幅に犠牲にするほど
の覚悟を決めて働いてる訳ではないし、誰もが注目するような才能
を持って仕事に挑んでいるわけでもありません。
 要するに潰しが利き難い世界ということ。
 ちなみにクリエイター云々の話は抜きにして、脱サラ成功率とい
うのは1500人に1人とニュースで聞いたことがあります。まあ、
何をもって成功とするのかまでは聞いてなかったので鵜呑みには出
来ませんが、「前向きすぎる」脱サラ斡旋関係の記事よりは重みが
あるように思います。
 クリエイターで食ってゆくにはハイリスクローリターンを受け入
れなければならない。それは、好きでやっている、という呪いにか
からなければなかなか難しい。
 或いはずば抜けた才能を持つか、或いは強力なコネクションを持
つか。或いはもともとの生活環境が恵まれているか。
 ううむ。
 今のところ何も良い結論は出ませんが、現状報告みたいな感じで、
転職考えている人はご一考下さい。



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